ワシントン条約決議に基づく楽器証明書制度の申請取り扱い開始について

新しいワシントン条約の制度として、楽器証明書制度が開始されております。

この制度は、従来はワシントン条約該当種を使用した楽器(例えば、象牙等を使用した三味線や事、ローズウッド系の木材を使用したギター等が予想されます。)を海外へ演奏等にために持ち出し(輸出入)を行う際には、原則として、都度、輸出国管理当局からCITES許可書の発給を受けることが必要であり、海外公演を行う演奏家等の大きな負担となっていました。

そのため、日本においても、2021年7月1日より、楽器の輸出入手続きを簡素化するため、複数回の輸出入に利用できる楽器証明書制度(条約決議に基づくもの)を導入されております。

当事務所は、貿易に関する法務手続きを扱っており、ワシントン条約関係についても複数の取り扱い実績及び知見がございます。

そこで、当事務所では、お忙しい演奏家様のためにワシントン条約の楽器証明書申請業務の代行を新規に取り扱い開始(2023年1月より)致しております。

当事務所では、多数のワシントン条約に該当の有無を確認する製品成分チェック、ワシントン条約許可申請を以前より代行しておりますので、新規に取り扱い開始業務となりますが、お気軽にご相談いただければと思います。

具体的なワシントン条約に基づく楽器証明書制度の制度説明

それでは、新たに創設されたワシントン条約に基づく具体的な楽器証明制度について、説明を行っていきます。

長くなりますが、自ら手続きを行わない方も、制度趣旨を知っておくほうが税関で安心して通関できると思いますので、是非お読みいただければ幸いです。

経産省HPにお知らせとして、楽器証明書の申請手続きについての案内文書が掲載されております。こちらの文書に基づき申請手続きを進めていくことになりますので、各項目について重要な箇所の内容を確認していきます。

説明については、経産省からのお知らせを引用して行っております。

楽器証明書の対象貨物とは?

1 楽器証明書の対象貨物

条約附属書Ⅰ(条約適用前に取得され又は本邦へ輸入されたものに限る。以下同じ。)、附属書Ⅱ又は附属書Ⅲに掲げる種に属する動物又は植物、これらの個体の一部及びこれらの卵、種子、球根、果実(果皮を含む。)、はく製又は加工品(輸出貿易管理令(昭和24年政令第378号。以下「輸出令」という。)別表第2の37の項の中欄に掲げるものを除く。以下「動植物等」という。)を使用して製作された楽器及びその部品並びに付属品(以下「楽器等」という。)であって、通常、本邦に保管されているもの。

経済産業省(お知らせ)絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約第7条第3項及び同条約決議16.8に基づく楽器証明書の申請手続等について

上記のようにお知らせに書かれています。

文章自体を読むと分かりにくいですが、一般的にいうと、対象貨物は以下ということです。

ワシントン条約該当種を使用した楽器及びその部品並びに付属品であって、通常、本邦(日本)に保管されているもの。

上記に当てはまれれば、対象貨物(楽器のことです。)ということになります。

楽器証明書の適用範囲とは?

つぎに楽器証明書制度の適用範囲を確認していきます。

適用範囲と書かれるといまいち意味が分かりにくいですが、言い換えると楽器証明書制度の対象となる目的と行為の範囲というところです。

2 楽器証明書の適用範囲
楽器証明書の適用範囲は、次のいずれにも該当するものとする。
(1)楽器証明書を取得した個人が同証明書に記載された楽器等を外国において行う個人的な使用、演奏、展示会への出展又はコンクールへの参加等(以下「個人的な演奏等」という。)の非商業的な目的のため、一時的に本邦から輸出し、それを本邦へ輸入するものであること。
(注)「非商業的な目的」とは、楽器等の販売又は譲渡を行わないこと。
(2)楽器証明書を取得した個人が同証明書に記載された楽器等を、当該証明書の有効期限内に、携帯し又は税関に申告の上別送して、本邦から輸出し、それを本邦へ輸入するものであること(輸出令第4条第2項第4号及び同令別表第6(条約附属書Ⅲに掲げる種に属する動植物等を使用して製作されたものにあっても、準用する。)及び輸入貿易管理令(昭和24年政令第414号)第14条第
2号及び同令別表第2に基づき輸出及び輸入の承認を要しないものに限る)。
(3)楽器証明書制度を導入している又は他の条約の締約国等の楽器証明書による輸入及び再輸出を認めている締約国等へ輸出し、当該締約国等から輸入すること。

経済産業省(お知らせ)絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約第7条第3項及び同条約決議16.8に基づく楽器証明書の申請手続等について

上記に記載されているすべてに該当する必要があります。一つでも当てはまらない場合は、楽器証明書制度を利用することができません。

上記適用範囲の条件について、簡単に書き直すと、以下のようになります。これらすべてに該当することが必要です。

  • 個人的な演奏等のため持ち出し、楽器等の販売又は譲渡を行わず(非商業目的)、楽器を日本から持ち出し持ち帰ること。
  • 証明書の有効期限内に楽器等を、携帯し又は税関に申告の上別送して、輸出入を完了すること。
  • 楽器証明書制度を導入国又締約国等へ輸出し、当該締約国等から日本へ輸入すること。

楽器証明書の申請手続きとは?

具体的な申請先と必要書類に案内がお知らせに記載されおりますので、引用いたします。

細かな説明は読んだ通りですので行いませんが、必要書類では申請貨物が対象貨物及び制度の適用範囲であること、適法に入手又は輸入されたワシントン条約該当種を使用した楽器であること等を、申請先へ書面等で示すことが必要です。

3 楽器証明書の申請手続
(1)申請先
経済産業省貿易経済協力局貿易管理部野生動植物貿易審査室
(2)申請書類(楽器及びその部品並びに付属品の一式で申請すること。)
(イ)絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約に基づく日本国楽器証明(申請)書(別紙様式1(以下「楽器証明(申請)書」という。)) 原本 2通
(ロ)楽器証明申請説明書(別紙様式2)原本1通
(ハ)申請後の3年間で、外国において楽器等を使用することが見込まれる個人的な演奏等の計画等を記載した書面(開催場所、使用年月日を記載したパンフレット等がある場合はそれを添付のこと。英語以外の外国語の場合には、和訳又は英訳したもの(任意様式)を添付のこと。)の写し 1通
(ニ)購入した又は譲り受けた楽器等にあっては、販売証明書又は譲渡証明書(法人にあっては代表権者又は証明する権限を有する者が発行したもの) 原本1通(任意様式)

なお、条約附属書Ⅰに掲げる種に属する動植物等を使用して製作された楽器等にあっては、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(平成4年法律第75号)の規定に基づき登録されている者からの購入であること。
(ホ)条約附属書Ⅰに掲げる種に属する動植物等を使用して製作された楽器等にあっては、その種の動植物等が条約適用前に取得されたことを証する次に掲げるいずれかの書類
(ⅰ)本邦へ輸入された際の通関済み輸入通関申告書(その他通関したことを証する書面を含む。以下同じ。) 写し 1 通
(ⅱ)本邦への輸入に際し、条約第3条及び第4条の規定に基づき相手国政府当局が発行した当該動植物等の輸出を認めた(出所記号が「O」であること)旨の書面(条約第7条の規定に基づき相手国政府当局が発行した証明書を含む。) 写し1通
(ⅲ)楽器等を購入したことを証明する書類(領収書(レシートも可)、保証書、電子商取引で購入した場合は購入が分かる画面写し等) 写し 1 通
(ⅳ)放射性炭素年代測定法による年代測定結果等の客観的に証明できる書類 写し 1 通
なお、上記の書類が提出できない場合にあっては、条約適用前に取得したものであることを説明する書類(任意様式)及び次に掲げるいずれかの第三者(申請者(輸出者)ではないこと)による見解書(任意様式) 各1通
① 当該楽器等の製造業者、販売業者、又はそれに準ずる者
② 当該楽器等を使用する演奏家、又はそれに準ずる者
③ 当該楽器等に使用される動植物の材料(素材)の卸業者、又はそれに準ずる者
④ 上記①から③までが属する関連団体等
⑤ 当該楽器等の鑑定の識見を有する伝統工芸士、古美術等の鑑定人又は鑑定機関で経済産業省が認めるもの
⑥ 当該楽器等に使用される動植物の種又は種の標本に係る学識経験者 、又はそれに準ずる者
(へ)本邦において野生から捕獲した動物又は採取した植物にあっては、次に掲げる書面
(ⅰ)捕獲又は採取したことを証する書面 1通
(ⅱ)捕獲又は採取することについて、法令又は地方自治体の条例等において許可等が必要な場合には、その許可書等の写し 1通
(ト)我が国の動植物の保護に関する法律(下記(注)参照)に違反して捕獲若しくは採取をしたもの又は譲受け若しくは引取りをしたものでないこと、及び下記4の楽器証明書の発行基準を満たしていることの誓約書(様式任意) 原本1通
なお、これらの法律に基づき許可等を受けた場合にあっては、その許可書の写し又はこれに代わるべき内容の書類 1通
(注)
・鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(平成14年法律第88号)
・自然環境保全法(昭和47年法律第85号)
・自然公園法(昭和32年法律第161号)
・文化財保護法(昭和25年法律第214号)
・絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律
・漁業法(昭和24年法律第267号)
・水産資源保護法(昭和26年法律第313号) 等
(チ)次に掲げる事項を満たしていることの説明又は誓約する書面(任意様式)
(ⅰ)条約附属書Ⅰの象牙を使用して製作された楽器等にあっては条約適用後に輸入された象牙を使用して付け替え(補修)が行なわれていないこと。
(ⅱ)楽器証明書に記載される楽器等について、外国における個人的な演奏等で非商業的な目的により一時的に輸出し、それを輸入することが見込まれること。
(ⅲ)当該楽器等が、通常本邦において保管されていること。
(リ)再輸出する楽器等にあっては、本邦へ輸入された際の通関済み輸入通関申告書((ホ)(ⅰ)を提出した場合は不要とする。) 写し1通
なお、条約適用前に当該楽器等を本邦に輸入している場合は、その事実を証する書面(1通)
とする。
(ヌ)再輸出する楽器等にあっては、本邦への輸入に際し、条約第3条及び第4条の規定に基づき相手国政府当局が発行した当該動植物等の輸出を認めた旨の書面(条約第7条の規定に基づき相手国政府当局が発行した証明書を含む。)((ホ)(ⅱ)を提出した場合は不要とする。) 写し1通
ただし、上記(リ)に掲げる輸入通関申告書において、条約適用前に当該貨物が本邦に輸入されていたことを確認できる場合は、提出を要しない。
(ル)他者が所有する楽器等を申請する場合は、申請者と他者との間の貸借契約書(個人間の貸借で契約書がない場合は書面やメールを印刷したもの) 写し 1 通
(ヲ)上記以外の書類等の提出を求めることがある。

経済産業省(お知らせ)絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約第7条第3項及び同条約決議16.8に基づく楽器証明書の申請手続等について

楽器証明書の発行基準とは?

楽器証明書は申請を行った後に、審査を経て楽器証明書が発行されるわけですが、どのような基準で楽器証明書は発行されるのか、また、必要書類をそろえて申請したのに発行されない場合はあるのかについては、お知らせに記載がありますので、以下引用いたします。

4 楽器証明書の発行基準
楽器証明書の発行は、当該申請が上記3の(2)に従って行われたものであることを確認し、我が国が締結した条約その他の国際約束の誠実な履行を妨げることにならないと認められる場合に限り行うものとする。
ただし、条約適用以降に本邦に輸入された対象楽器等を輸出する場合にあっては、条約に基づき相手国政府当局が輸出を認めたものであること又は証明したものであることが確認できた場合に限り発行するものとする。
なお、外国為替及び外国貿易法(昭和24年法律第228号)第53条に基づき、輸出又は輸入を禁止している場合には、発行しないことがある。

経済産業省(お知らせ)絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約第7条第3項及び同条約決議16.8に基づく楽器証明書の申請手続等について

上記内容について、考察しますと、楽器証明書は必要書類をそろえて申請したものであって、ワシントン条約の誠実な履行の妨げとならない場合に限り楽器証明書を発行するということになります。

また、続く但し書きにある内容は、ワシントン条約適用以降に日本輸入されたものについては、日本への輸入時のワシントン条約許可書(CITES)等のコピーが、相手国政府の輸出を認めた確認資料として求められるものと理解できます。

さらに、外為法で輸出入が禁じられている国についての持ち出しについても、発行しないことがあるとなっていますので、そのような国へ楽器を持ち出す場合には、楽器証明書の発行を受けることができない場合があることがあることも留意が必要でしょう。

楽器証明書の条件とは?

では、次は楽器証明書の条件を見ていきましょう。

いきなり条件と言われても、何の条件?という感じですが、ここでは、楽器証明書の発行を受けた場合に、行う事と行ってはいけない事が書かれています。では、経産省のお知らせを確認していきます。

5 楽器証明書の条件
楽器証明書の発行を受けた者は、次に掲げる条件を遵守しなければならない。
(1)本楽器証明書は、上記1の楽器証明書の対象貨物であり、かつ、上記2の楽器証明書の適用範囲において楽器等を輸出し、それを輸入する場合に限り、これを適用することができる。
(2)楽器証明書に記載された楽器等を輸出し、それを輸入する場合、輸出し、それを輸入する際に各条約締約国等(日本を含む。)の税関において、楽器証明書の原本及び楽器本体又はその専用ケース等に結束したタグ(本申請により発行されたもの)を提示し、当該楽器証明書の15欄に税関の確認を受けること。
(3)楽器証明書に記載された楽器等は、当該証明書の有効期限までに本邦へ輸入すること。
(4)楽器証明書の発行に記載された楽器等の修理、部品の交換又は改造により、楽器等の構成部品や形状に変更があった場合は、速やかに野生動植物貿易審査室へ当該証明書を返却し、変更があった内容で新たな楽器証明書の発行を受けること。
(5)楽器証明書を紛失(盗難又は誤って破棄を含む。)又は毀損した場合は、速やかに野生動植物貿易審査室へ経緯と再発防止策を書面で報告すること。
(6)楽器証明書に記載された楽器等を当該本人が所有しないこととなった場合(例えば、販売、譲渡、紛失、盗難又は廃棄等)は、速やかに本証明書及びタグを野生動植物貿易審査室へ返却し、当該経緯を書面で報告すること。
(7)楽器証明書により、一時的に輸出した楽器等が外国にある間は、その楽器等を他者へ販売又は譲渡してはならない。
(8)毎年3月末までに前年(1月から12月まで)の使用実績報告書(別紙様式3)を野生動植物貿易審査室へ提出(使用実績がない場合を含む。)すること。
(9)上記1の楽器証明書の対象貨物及び上記2の楽器証明書の適用範囲につき、発行後に条約や法令等の改正に伴い変更された場合は、当該変更に従うこと。
(10)野生動植物貿易審査室が発行した楽器証明書を取り消した場合は、速やかに楽器証明書を野生動植物貿易審査室に返却すること。

経済産業省(お知らせ)絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約第7条第3項及び同条約決議16.8に基づく楽器証明書の申請手続等について

かみ砕いて書いていきますと、楽器証明書の条件とは以下のイメージとなります。

⑴は対象貨物となる楽器を適用範囲においてのみ、楽器証明書を輸出入に利用できるということです。申請した用途以外に使用していけないということです。

⑵については楽器証明書を利用することができる国での輸出入時に、楽器証明書と楽器本体等、そして楽器証明のタグを税関に提示し、書類へ確認をうけろということが書かれています。ワシントン条約が絡む貨物については、輸出入時に必ず、税関の内容確認と数量確認の記載を行う必要があります。

忘れずに、税関で行わないと困ったことになります。

⑶以下ついては、期限内の日本への輸入、内容変更の場合の書類返却義務、外国での販売・譲渡の禁止などが書かれています。

また、⑻には年一回の使用実績の報告義務があることが書かれています。

楽器証明書の交付を受けた場合は、これらの条件を守って使用する必要があります。

その他の楽器証明書のルールとは?

長くなってきましたので、残りの楽器証明書のルールを纏めてお知らせより引用記載します。

あと少しです。

6は楽器証明書の内容変更について、7は楽器証明書の更新申請について、8は楽器証明書の再発行について、9は楽器証明書の取り消しについて記載されています。

つまり、楽器証明書の申請内容に変更があった場合は、何らかの手続きが必要であるという事を覚えておきましょう。

その他、楽器証明書の条件に違反する等が確認された場合は、取り消しもあることを理解しておきましょう。

6 楽器証明書の内容変更に係る申請手続
楽器証明書の発行を受けた者の氏名又は住所を変更したとき、楽器等の修理、部品の交換又は改造により、楽器等の構成部品や形状に変更があったときは、速やかに原証明書を返却し、変更を証する書面の写し及び理由書(様式自由)を添付して、新たに楽器証明書の発行を受けなければならない。
7 楽器証明書の更新申請手続
(1)楽器証明書の発行を受けた者は、当該証明書の有効期限満了日の6月前から上記3の(2)に掲げる書類に原証明書を添付して、更新の申請を行うことができる。
(2)野生動植物貿易審査室長は、当該申請の内容が適当と認められるときは、当該証明書の有効期限の末日の翌日又は更新する楽器証明書の発行日のいずれか遅い方から起算して3年を超えない範囲を有効期限として更新を行う。
8 楽器証明書の再発行の申請手続
(1)楽器証明書を紛失(盗難又は誤って破棄を含む。)又は毀損した場合の再発行の申請は、以下の書類の提出を提出するものとする。
① 経緯及び再発を防止する方策を記載した理由書 原本1通(様式任意)
② 原証明書と同一内容を記載した楽器証明(申請)書 原本2通
③ 紛失又は毀損した楽器証明書の写し(写しのない場合は、野生動植物貿易審査室の保管する写しをもってこれにあてる。)1通
(2)野生動植物貿易審査室は、申請の内容が正確であることを確認した上、(1)②の楽器証明(申請)書の「13.付加的条件」の欄に「本証明書は原本の真正な写しである。」旨を英文で「This certificateis a true copy of the original Musical instrument certificate(証明書番号)which has been
declared lost.(Date:month/day/year)」と記載し、(1)③の紛失又は毀損した楽器証明書の写しを貼り付け、日本国管理当局印を押印し、楽器証明書を発行する権限を有する者による署名の上、申請者に発行する。また、有効期限は原証明書と同一とし、その他については下記10の事務取扱
要領に準じて処理するものとする。
なお、楽器証明書により一時的に輸出した楽器等が外国にある間に、当該証明書の有効期限を経過した場合は、再発行は行わない。
9 楽器証明書の取消等
次のいずれかに該当する場合には、当該楽器証明書の発行を取り消し、新たな楽器証明書の発行を行わないことがある。
(1)楽器証明書の発行を受けた者が法令又は上記5の楽器証明書の条件に違反したとき。
(2)楽器証明書の発行を受けた者又はその輸出若しくは輸入が上記4の発行基準を満たさなくなったとき。
(3)偽りその他不正の手段により楽器証明書の発行を受けたとき。
(4)我が国が締結した条約その他の国際約束の誠実な履行を妨げるおそれから必要があると認めるとき。

経済産業省(お知らせ)絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約第7条第3項及び同条約決議16.8に基づく楽器証明書の申請手続等について

楽器証明書制度が使用できる国について

それでは、楽器証明書の使用条件の一つである、楽器証明書の導入国について見ていきましょう。

ワシントン条約会議の楽器証明書導入国については、しらべたところ経産省HPに主な導入国についてのみ記載がありました。

楽器証明書の主な導入国:アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、ドイツ、スペイン、中国、韓国等。(※2023年1月29日時点)

これらの国であれば楽器証明書は使用可能ということです。ただし、等となっておりますので、これらの国以外も使用できる可能性がありますから、確認が必要です。また、実際に導入国へ楽器の持ち出しで、楽器証明書を使用するかたは、その都度、必ず現在に導入国であるか確認してから楽器証明書の使用を検討しましょう。導入国については、流動的なものと考えとりますので、変更がることを考慮し、都度の確認をお勧めいたします。

当事務所に代行依頼いただいた場合の流れ

概ねの楽器証明書申請代行業務の流れ

当事務所においては、以下の流れで申請代行を行う予定としております。

  1. お客様より、楽器及び持ち出し国(輸出国)、演奏予定など検討情報をヒアリング
  2. 検討・確認後、受託の可否をお客様へご連絡
  3. お客様にて作成収集が必要な資料をご連絡(楽器写真はお客様にて撮影頂く必要があります。)、行政書士側は申請書類作成開始
  4. 楽器証明書及び取り付けタグの交付
  5. お客様にて、保管容器へのタグ取り付け及び楽器証明書を携帯し、楽器の持ち出し

※下記はお客様にて撮影頂く経産省HPからの楽器写真の見本です

代行料金の目安

案件により、業務内容が異なることが予想されますので、お見積りにて料金お知らせいたします。

ただし、概ね1申請(原則1つの楽器ごと)に代行料6万円から12万円程度(税抜き)の範囲とお考えくださいませ。

業務報酬の料金表

料金のお支払いの時期

原則、楽器証明書が発行された段階で、代行料をお支払いください。

楽器証明書及びタグについては、ご入金確認後のご発送(お引渡し)となります。